渋谷区内で民泊営業は可能か?

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民泊営業の許可申請手続きに関して、渋谷区内で開業を希望する方からの問い合わせが増えてきています。

渋谷区で旅館業を新規に建築するのは極めて困難ですが、今回は渋谷区での旅館業営業申請の手続について解説してみます。

渋谷区でラブホテル規制条例が制定されてから10年が経過し、厳しい規制により新規のラブホテル建築を抑制してきましたが、その一方で一般ホテルの建築も困難となる面もありました。近年は渋谷区内のホテルの客室数が不足していることもあり、従来のラブホテル建築については厳格化を図りつつ、一般ホテルの建築について一部規制を緩和する条例改正が実施されました。今回の記事では改正後の渋谷区ラブホテル規制条例で規定された要件について解説します。

渋谷区ではラブホテル規制への対応が必要

渋谷区内全域で簡易宿所を建築する場合は、許可申請手続きを開始するより前に、区長に対して同意申請書を提出し、同意を得ることが必要となります。区長の同意が得られない場合には、当該簡易宿所は開業することができません。

したがって、渋谷区内で簡易宿所型民泊を開業するためには、ラブホテル規制へ対応し区長の同意を得ることが必須です。

しかし、渋谷区のラブホテル規制に対応して民泊を実施することは不可能です。下記のページからラブホテル規制の要件をご確認ください。

 渋谷区ラブホテル規制についてはこちら

申請手続きの流れ

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渋谷区公式サイトより

 建築計画概要の表示

建築主は、同意申請書を提出する10日前から同意通知書・不同意通知書の交付があるまで、当該簡易宿所の計画について敷地内での表示が必要となります。敷地内の見やすい場所に、「ホテル等建築計画概要」表示します。

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 説明会の実施

建築主は、当該簡易宿所の計画について、その敷地から周囲200メートル以内の住民に対して説明会の開催が必要となります。 説明会に関する報告書として、「ホテル等建築計画説明会開催結果報告書」を同意申請書の添付書類として提出します。

この「説明会の実施」に関しては、渋谷区のみならず、国家戦略特区における「特区民泊」の届出手続でも必須となっています。

また、平成28年6月28日から施行されている江東区の改正旅館業法施行条例でも新たに標識の設置や近隣説明会が必須となりました。旅館業法施行条例の改正を検討している各地の自治体でも、改正後条例では説明会実施を義務付ける規定を設けるケースが多くなっています。今後は、簡易宿所を新設する際には近隣説明会を求められるケースが増えそうです。

同意申請書の提出

「ホテル等建築計画概要」を10日間以上表示した後、必要書類を添付して提出します。正本1通、副本1通、写し9通(それぞれに添付書類1番~13番も必要)を作成します。

添付書類一覧

1 付近見取図 (方位、道路及び目標となる地物を示す)
2 建築物用途別周囲現況図 (届出に係る建築物の敷地境界線から半径200メートル以内にある建築物の用途(用途別に色分け)及び配置状況を図示)
3 配置図 (縮尺、方位、敷地の境界線、敷地内における建築物の位置及び用途、届出に係る建築物と他の建築物との別、緑化の状況並びに敷地に接する道路の位置及び幅員を記載)
4 各階平面図 (縮尺、方位、間取り、各室の用途及び面積を記載)
5 客室平面詳細図 (縮尺、方位、間取り、各室の用途及び面積並びに主要部分の寸法を記載)
6 立面図 (縮尺、高さ及び開口部の位置を記載)
7 断面図 (縮尺、建築物の床の高さ、各階の天井の高さ、軒の高さ、全体の高さ並びに軒及びひさしの出を記載)
8 完成予想図 (外観の意匠及び色彩を記載)
9 屋外広告物関係図 (意匠、形態及び色彩を記載)
10 各室内仕上げ表 (各室内の仕上げ及び色彩を記載)
11 外部仕上げ表 (外壁及び屋根の仕上げ及び色彩を記載)
12 現況写真 (敷地の現況がわかるよう敷地の周囲から撮影した写真及びホテル等建築計画概要標識を設置している状況を撮影した写真を記載)
13 ホテル等建築計画説明会開催結果報告書

同意申請の審査

簡易宿所の営業主体から提出された同意申請に基づき、渋谷区長が審査します。審査にあたっては、新たに設置された区長の附属機関である「渋谷区ホテル等建築審議会」に諮問し、意見を求めることになっています。審議会は、「法律」「建築」等の分野に関する専門家及び学識経験者7人以内で構成され、区長の諮問に応じて、マンスリーマンション等の建築に関する事項も審議します。審議会の開催は、月1~2回の定例会が予定されています。

同意通知書の交付

渋谷区長が建築主に同意する場合は「同意通知書」を交付します。同意を得た建築主は、 その後の旅館業営業許可申請手続きを開始します。

ラブホテル規制条例が適用されないケース

渋谷区内全域でホテル等を建築する場合は、上記の通り区長に対して同意申請書を提出し、同意を得ることが必要となります。

この点について、ホテル等の「建築」でなければ同意手続は不要です。そこで、「建築」の意義が問題となります。渋谷区ラブホテル建築規制条例の条文を見てみましょう。

渋谷区ラブホテル建築規制条例

(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 ホテル等 旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第二条第二項に規定するホテ ル営業、同条第三項に規定する旅館営業及び同条第四項に規定する簡易宿所営業(施設全体がシングルカプセル形態の簡易宿所営業を除く。)のための施設をいう。

二 ラブホテル ホテル等のうち次のいずれかに該当するものをいう。

ア 専ら異性を同伴する客の利用に供する別表第一に定めるいずれかの施設

イ 別表第二に定める施設、構造及び設備のいずれかを有しないもの (改正…二八年三二号)

三 建築 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第十三号に規定する建築、 同条第十四号に規定する大規模の修繕、同条第十五号に規定する大規模の模様替又は同法第八十七条第一項に規定する用途の変更(以下単に「用途変更」という。)をいう。

ラブホテル規制条例の第2条3号によれば、同条例で規定されている「建築」とは、建築基準法上の「建築」「大規模修繕」「大規模模様替」「用途変更」をいいます。したがって、これらに該当しなければ上記の同意手続は不要となります。

以上より、渋谷区内で新たに簡易宿所型民泊を事業として開始しようとする場合には、既存建物を用い、かつ建築基準法上の用途変更手続を要しない形態で実施するのが現実的です。

特定行政書士 戸川大冊
small早稲田大学政治経済学部卒/立教大学大学院法務研究科修了(法務博士)
民泊許可手続の第一人者。日本全国の民泊セミナーで登壇し累計850人以上が受講。TVタックルで民泊について解説。政治法務の専門家行政書士として日本全国の政治家にクライアントが多数。 民泊を推進する日本全国の自治体政治家や国会議員にネットワークを持つ、日本で唯一の行政書士。
ビートたけしのTVタックル、NHK「おはよう日本」、テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト」、TBS「ニュース23」など多数のテレビ番組に取り上げられている。朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞、東京新聞、週刊誌などでも掲載多数。

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