【大阪府】特区民泊手続きの概要

大阪府における特区民泊(国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業)とは

大阪府では、2014年の大阪府議会等において特区民泊について審議されましたが、治安や近隣住民の生活環境への懸念等の指摘がなされ、特区民泊の実施に必要な条例案が否決されてしまいました。そのため、議会からの指摘事項に対応する制度的な改善について国と協議を続け、翌年に条例案を議会へ再提出しました。

その結果、2015年10月に国家戦略特区法による「民泊」を認める条例案が可決され、2016年4月から大阪府で特区民泊が開始されました。

今回の記事では、大阪府での「民泊」認定手続きについて解説します。

特区民泊全般に関する説明はコチラをご覧ください。

【特区民泊】特区民泊許可の取得(国家戦略特区の特例)

大阪府における「特区民泊」の主な認定要件(国家戦略特別区域法施行令第12条)

賃貸借契約及びこれに付随する契約に基づき使用させるものである

使用期間が7日~10日の範囲で、条例で定める期間以上であること

★ 大阪府だけでなく、保健所設置市(大阪、堺、高槻、東大阪、豊中、枚方)もそれぞれで判断

居室の要件

・原則として床面積25㎡以上
・出入口の鍵を有し、他の居室との境は壁造りである
・適当な換気、採光、照明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有する
・台所、浴室、便所及び洗面設備を有する
・寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理器具、清掃器具を有する
・施設の使用の開始時に清潔な居室を提供する

外国語による利用案内、緊急時の情報提供 その他の外国人旅客の滞在に必要な役務の提供を行うこと

当該事業の一部が旅館業法に規定する旅館業に該当するもの

実施地域

大阪府条例の管轄地域は、大阪府内の保健所設置市(大阪市、堺市、高槻市、豊中市、枚方市、東大阪市)を除く市町村です。条例で最低滞在期間を定める必要があり、条例を定めないと実施できません。

大阪府条例が管轄する地域のうち、実施地域に関しては以下の3区分に分かれます。

市街化区域の共同住宅・戸建住宅が建築可能地域な「全域」で実施

守口市、大東市、泉佐野市、能勢町、忠岡町

上記のうち、法令、市町村の条例・都市計画により「ホテル・旅館を建築できない地域」を除く地域に限る

岸和田市、泉大津市、貝塚市、茨木市、八尾市、富田林市、寝屋川市、河内長野市、和泉市、箕面市、柏原市、羽曳野市、門真市、摂津市、高石市、藤井寺市、泉南市、四條畷市、大阪狭山市、阪南市、島本町、豊能町、熊取町、田尻町、岬町、太子町、河南町、千早赤阪
(建築基準法の用途地域で住居専用地域、第1種住居地域(床面積3000㎡超)、工業地域、市町村の条例・都市計画でホテル建築禁止している地域での実施はできません。)

現時点では実施しない

池田市、吹田市、松原市、交野市


大阪府の「特区民泊」申請手続き

申請手数料

  • 新規認定申請
    21,200円
  • 変更申請
    (現地調査を行う場合) 10,500円
    (現地調査を行わない場合) 2,500円
資料

大阪府国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例

(趣旨)
第一条
この条例は、国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号。以下「法」という。)第十三条第一項に規定する国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(以下「事業」という。)について国家戦略特別区域法施行令(平成二十六年政令第九十九号。以下「令」という。)第十二条第二号の規定に基づき同号の条例で定める期間を定め、併せて事業に関し必要なその他の事項を定めるものとする。

(事業の用に供する施設を使用させる期間)
第二条
令第十二条第二号の条例で定める期間は、七日とする。

(立入調査)
第三条
知事は、法第十三条第九項の規定の施行に必要な限度において、その職員に、同条第四項に規定する認定事業者(以下「認定事業者」という。)の事務所又は令第十二条第一号に規定する施設(以下「施設」という。)に立ち入り、法第十三条第四項に規定する認定事業の実施状況について調査させ、又は関係者に質問させることができる。2前項の規定により立入調査をする職員は、現に滞在の用に供している施設の居室に立ち入ろうとするときは、あらかじめ認定事業者及び当該居室に滞在している者の承諾を得なければならない。3第一項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

(手数料)
第四条
法に基づく事務に関し、次の表の中欄に掲げる者は、それぞれ同表の下欄に定める金額の手数料を納付しなければならない。

(還付)
第五条
既納の手数料は、還付しない。ただし、知事は、特別の理由があると認めるときは、その全部又は一部を還付することができる。

(減免)
第六条
知事は、特別の理由があると認めるときは、手数料を減額し、又は免除項区分金額一法第十三条第一項の特定認定を受けようとする者二一、二○○円二法第十三条第五項の規定により変更の認定を受けようとする者一○、五○○円(法第十三条第五項の変更であって、同条第一項の特定認定を受けた事業の用に供する居室と同一の施設内において当該居室と同一の規格の居室を当該事業の用に供するもの、居室の数を減少させるもの又は施設の構造、面積、設備及び器具の変更を伴わないものにあっては、二、五○○円)することができる。

(規則への委任)
第七条
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。附則この条例の施行期日は、規則で定める。


特定行政書士 戸川大冊
small早稲田大学政治経済学部卒/立教大学大学院法務研究科修了(法務博士)
民泊許可手続の第一人者。日本全国の民泊セミナーで登壇し累計850人以上が受講。TVタックルで民泊について解説。政治法務の専門家行政書士として日本全国の政治家にクライアントが多数。 民泊を推進する日本全国の自治体政治家や国会議員にネットワークを持つ、日本で唯一の行政書士。
ビートたけしのTVタックル、NHK「おはよう日本」、テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト」、TBS「ニュース23」など多数のテレビ番組に取り上げられている。朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞、東京新聞、週刊誌などでも掲載多数。

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