【旅館業法】2017年改正により緩和される民泊許可の構造設備基準を特定行政書士が解説します

2017年度通常国会に旅館業法改正法案提出

2016年の旅館業法改正に続き、2017年にも旅館業法の改正と構造設備基準の緩和が予定されています。

これは、2017年通常国会に住宅宿泊事業法(いわゆる「民泊新法」)が提出されたことに合わせて、旅館業法についても規制緩和が再度行われるものです。

今回は、2017年の旅館業法改正点と構造設備基準の緩和内容について解説します。

2017年旅館業法改正のポイント

旅館業の健全な発達を図り、公衆衛生及び国民生活の向上に寄与するため、ホテル営業及び旅館営業の営業種別を旅館・ホテル営業に統合して規制緩和を図ります。

規制緩和と同時に、無許可営業者に対する都道府県知事等による報告徴収及び立入検査等の規定を創設します。あわせて、罰金の上限額の引上げをおこない罰則を強化します。

構造設備基準緩和の内容

  1. 客室数の最低数(ホテル:10室以上、旅館:5室以上)は、ホテル・旅館の一本化にあわせて撤廃されます。
  2. 寝具の種類(洋室:洋式の寝具、和室:和式の寝具)は、撤廃されます。
  3. 客室の境の種類(洋室:壁造り、和室:壁・板戸・ふすま等による区画)は、客室の境の種類の規制については撤廃されます。
  4. 採光・照明設備の具体的要件(適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること)は、採光については建築基準法令に準じた規定に改め、照明については数値による規制を撤廃して定性的な表現に改められます。
  5. 便所は、数値による規制を撤廃し、定性的な表現に改められます。
  6. 客室の最低床面積(洋室:9㎡以上、和室:7㎡以上)は、ホテル・旅館の一本化(法改正)にあわせ、ベッドの有無に着目した規制に改められます。
  7. 入浴設備の具体的要件は、ホテル・旅館の一本化にあわせ、規制の緩やかな現在の旅館の水準に統一されます。また、レジオネラ症などの感染症対策及び利用者の安全等に必要な規定については維持し、それ以外の規定については撤廃されます。
  8. 玄関帳場の規制については、「受付台の長さが1.8m以上」等の数値による規制については撤廃されます。ICTの活用等により対面でのコミュニケーションに代替する方策について、具体的に検討した上で、ICTの活用等による適用除外を認める方向です。

施行期日

公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行されます。2017年通常国会で可決成立した場合には、2018年4月からの施行が有力です。


特定行政書士 戸川大冊
small早稲田大学政治経済学部卒/立教大学大学院法務研究科修了(法務博士)
民泊許可手続の第一人者。日本全国の民泊セミナーで登壇し累計850人以上が受講。TVタックルで民泊について解説。政治法務の専門家行政書士として日本全国の政治家にクライアントが多数。 民泊を推進する日本全国の自治体政治家や国会議員にネットワークを持つ、日本で唯一の行政書士。
ビートたけしのTVタックル、NHK「おはよう日本」、テレビ東京「ワールド・ビジネス・サテライト」、TBS「ニュース23」など多数のテレビ番組に取り上げられている。朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞、東京新聞、週刊誌などでも掲載多数。

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